人口の28%以上が65歳以上の高齢者である日本。少子化の影響もあり、これからも高齢化率はさらに高くなっていくことが予想されています。高齢者になるとさまざまなことに制限が生まれます。心身の問題はもちろんのこと、一番困るのは高齢であることを理由に、大家から立ち退くよう要請されることではありませんか?高齢であることを理由に立ち退きを迫ることは正当な事由とは認められないものの、バリアフリー対応されていない住宅で住み続けることに困難を覚え、別の場所に引っ越そうかと考えることもあるでしょう。転居先としてすぐに浮かぶのは老人ホームですが、老後の住まいは老人ホームだけではないことをご存じですか?
普段の生活を行う上で介護が必要ない、自立した人であればサービス付き高齢者向け住宅を利用してはいかがでしょうか。こちらは「サ高住(さこうじゅう)」や「サ付き住宅」とも呼ばれ、いくつもの高齢者向けサービスを利用できる賃貸住宅です。歴史はまだ浅く、2011年10月に「高齢者住まい法」が改正されたことで誕生した住宅です。高齢者が安心して暮らせることを念頭に置いた住宅であるため、入居対象は高齢者のみです。一人暮らしや夫婦2人暮らしであっても入居を断られることはありません。
サ高住の施設の特徴
サ高住はバリアフリー構造になっており、段差をなくし廊下などには手すりがつけられています。一般向け賃貸住宅を利用するよりもずっと暮らしやすいと感じることでしょう。定期的に安否確認が受けられ、生活相談サービスなどを利用すれば日ごろ感じる暮らしの中での不安も解消することができます。介護が必要となった場合には、デイサービスなど、外部の介護サービスを利用します。すでにデイサービスやケアワーカーなどと契約している場合は、その契約を継続したまま入居しやすい点も特徴のひとつに挙げられるでしょう。
気になるのは入居できる身体の状態ではありませんか?設備によって異なるものの、介護を必要としない自立者はもちろんのこと、要介護度が低い方も入居できます。施設によっては充実したサービス体制を用意しており、要介護度5の高齢者であっても入居できる施設もあります。
サ高住のメリットはそれだけではありません。有料老人ホームよりも低い初期費用で入居できるため、比較的気軽に入居できます。賃貸住宅であるため、レクリエーションのような入居者同士の交流は少ないことがほとんどです。今まで通りの、自由のある暮らしを続けることができます。
サービス付き高齢者向け住宅に入居するには
サ高住は一般の賃貸物件とは性質が異なるため、不動産屋さんに行って「サービス付き高齢者向け住宅に入りたいのですが…」と相談しても、満足のいく結果になることはまれでしょう。サ高住に入居したいのであれば、専門家に相談することをおすすめします。日本老人ホーム紹介サービスセンターという相談サービスは、日本中のサ高住の中から自分にあった住宅を紹介してくれます。こちらでは老人ホームをはじめとした介護施設の紹介もしているため、万が一サ高住ではサポートが間に合わず、老人ホーム等に転居したいという場合でも心強い味方になってくれることでしょう。