地域包括ケアシステム実現の要「看多機」とは?

「看護小規模多機能型居宅介護」というものをご存知でしょうか?長いので「看多機(カンタキ)」と略されることがありますが、介護サービス拠点に看護師が常勤し、介護と看護の両方のサービスを一元して受けられる施設になります。国の医療政策転換によって在宅療養患者が増加する中、体制整備の必要性が議論され、平成24年度介護報酬改定で創設されたサービスになります。

最近では、退院後に医療行為が必要な場合でも配偶者が高齢で対応困難だったり、子供と離れて暮らしていたりと同居家族がいたり・いなかったり、いても対応できないというケースも増えてきています。看多機は、医療以前度が高い高齢者や体調変化の多い退院後の方でも、訪問することで必要なケアを受けられ自宅生活を可能にしてくれる施設なのです。いわば看多機は、医療機関・介護施設と在宅の中間施設といえる存在なのです。

また、看護小規模多機能型居宅介護は、地域包括ケアシステムの中心を担うべきサービスとしてこれから先も制度面での強化が期待されます。平成30年度の介護報酬改定では、「訪問」サービスを積極的に整えている施設に対し「訪問体制強化加算」が追加され、自宅での生活を支えるための支援がより強化されることになっています。まだまだ全国的には事業者が多いとは言えないものの、今後はますます施設数は増加することが予測されます。ただ、そこで働く看護師の数はまだまだ足りていないようです。看護師の求人案件を掲載するサイト『SUPER NURSE』でも数多くの看護小規模多機能型居宅介護での求人が見かけられます。

超高齢化を迎える私たちの多くは、介護が必要になったとしても施設ではなく自宅を中心とした住み慣れた地域での生活を希望するはずです。その地域包括ケアシステムを支える重要な施設こそ看護小規模多機能型居宅介護なのです。